心臓にいい食材は「単品」で決めない。選び方と量を白衣ゆいと確認しよう
こんにちは、あっぷるぐみの白衣ゆいです。内科病棟で患者さんと食事の話をしていると、「心臓にいいと聞いたから、これだけ食べています」と相談されることがあります。
食材そのものに良い面があっても、砂糖や塩分が多い加工品を選んだり、量が増えすぎたりすると、期待した方向と違う負担になることがあります。今回は動画で紹介されていた心臓に良い食材の話を、一般の方が安全に使いやすい形へ整理します。
この記事でわかること
- 心臓に良い食材を選ぶときの基本
- ナッツ、ベリー、トマト、オリーブオイルなどを考えるときの注意点
- 家庭で見直しやすい塩分、糖分、脂質、量のポイント
- 受診や主治医への相談につなげたい目安
結論
心臓や血管のための食事は、「この食材だけ食べれば安心」と決めるより、食事全体を整えることが大切です。
動画では、ダークチョコレート、ナッツ、ベリー、トマト、オリーブオイルなどの話題が出ていました。ただし、甘いチョコ、塩味ナッツ、砂糖入りジャム、加糖飲料のように、似ているけれど糖分や塩分が多いものもあります。白衣ゆいとしては、食材名だけで選ばず、「加工度」「味つけ」「量」「自分の病気や薬との相性」を見ることをおすすめします。

1. まず「心臓にいい食材」を魔法の食品にしない
心臓を守る食事で大切なのは、単品の食品よりも、毎日の食事全体です。
日本循環器協会は、心臓や血管疾患の予防には毎日の食事が大切で、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの予防につながる食事を意識することを案内しています。つまり、「何を足すか」だけでなく、「塩分、砂糖、飽和脂肪酸、食べすぎが増えていないか」を一緒に見る必要があります。
たとえば、体に良さそうな食品でも、次のような選び方には注意が必要です。
- ナッツを選ぶが、塩味やはちみつがけを毎日食べる
- ベリーの代わりに、砂糖の多いジャムや甘い飲み物を選ぶ
- オリーブオイルが良いと聞いて、量を気にせず足す
- チョコレートのカカオ感だけを見て、砂糖量を見ない
- 健診で脂質や血糖を指摘されているのに、自己流で食事だけに頼る
食材は「味方にもなるけれど、選び方で変わる」と考えると安全です。
2. 塩分は、心臓と血圧のために最初に見たい
心臓に良い食材を足す前に、まず見たいのが塩分です。
厚生労働省 e-ヘルスネットでは、高血圧は心疾患や脳血管疾患の重要な危険因子の1つであり、食塩の摂り過ぎは高血圧に影響すると説明されています。日本人の食塩摂取量は目標量を上回りやすいため、日常の食事で少しずつ減らす工夫が大切です。
家庭では、次のようなところから確認できます。
- 麺類の汁を全部飲んでいないか
- 漬物、加工肉、総菜、外食が続いていないか
- 味見の前にしょうゆやソースを足していないか
- 減塩食品を使っても、量が増えていないか
- 血圧が高い日に、塩分の多い食事が重なっていないか
特に高血圧、心不全、腎臓病などで通院中の方は、自己判断で極端な食事制限をするのではなく、主治医や管理栄養士に相談してください。
3. 脂質は「種類」と「量」を一緒に見る
心臓や血管の話では、脂質の見方も大切です。
e-ヘルスネットでは、LDLコレステロールが高い人がまず行うべきこととして、飽和脂肪酸のとりすぎを改めることが挙げられています。飽和脂肪酸は、肉の脂、バター、生クリーム、ラードなどに多く含まれやすい脂質です。
一方で、魚、ナッツ、オリーブオイルなどは、食事全体の中で上手に取り入れられることがあります。ただし、油は少量でもエネルギーが高いので、「良い油ならいくらでも良い」とは考えない方が安全です。
見直しの目安は、次のような形です。
- 揚げ物や脂身の多い肉が続く日を減らす
- 魚、大豆製品、野菜、きのこ、海藻を組み合わせる
- ナッツは無塩を少量にする
- オイルはかけすぎず、小さじ単位で使う
- 健診のLDLコレステロール、中性脂肪、血糖を一緒に見る
「油を全部避ける」ではなく、種類と量の両方を整えるのが現実的です。

4. 糖分は、飲み物と加工品で増えやすい
動画でも、健康そうに見える食品が砂糖の多い形で売られていることへの注意が語られていました。
たとえば、果物そのものと、砂糖の多いジャムや甘い飲料は同じではありません。穀物でも、甘いシリアルや菓子パンは、食物繊維より糖分や脂質が目立つことがあります。
家庭で確認しやすいのは、次の3つです。
- 甘い飲み物を毎日飲んでいないか
- 「健康」「素材」などの印象だけで選んでいないか
- 間食が、食事の不足を補うものではなく習慣になっていないか
糖尿病、脂質異常症、肥満、高血圧を指摘されている方は、食品選びだけで改善しようとせず、健診結果や家庭血圧の記録を持って相談すると話が進みやすくなります。
家庭で確認できるポイント
心臓にやさしい食材選びのチェック
- 食材名だけでなく、砂糖・塩分・脂質の多さも見た
- ナッツやチョコレートは「少量」を意識した
- 加糖飲料、甘いシリアル、菓子パンが続いていない
- 魚、大豆製品、野菜、きのこ、海藻をどこかに入れた
- 健診結果や家庭血圧の記録と一緒に食事を見直した
受診や相談につなげる目安
食事の見直しは大切ですが、症状や検査値によっては生活改善だけで様子を見るのは危険なことがあります。
次に当てはまる場合は、医療機関や主治医への相談を考えてください。
- 胸の痛み、締めつけ感、強い息切れ、冷や汗、失神がある
- 動悸、むくみ、急な体重増加が続く
- 血圧、LDLコレステロール、中性脂肪、血糖の異常を繰り返し指摘されている
- 心臓病、腎臓病、糖尿病などで治療中
- 食事制限をどこまでしてよいか迷っている
- 薬やサプリとの相性が心配
急な胸痛や強い息切れ、冷や汗、失神を伴う症状があるときは、通常の受診日を待たず、早めに医療機関へ相談してください。
まとめ
心臓に良い食材を知ることは、食事を見直すきっかけになります。ただし、特定の食品だけで心臓病を防げるわけではありません。
白衣ゆいとしては、まず「塩分」「糖分」「脂質の種類」「量」「健診結果とのつながり」を一緒に見ることをおすすめします。食材を味方にするためにも、無理な制限や自己判断ではなく、続けやすい形で整えていきましょう。
担当メンバー
白衣 ゆい。主任看護師・内科病棟担当。患者さんやご家族の不安を、生活の中で確認しやすい形へ整理してお伝えします。
参考にした動画・資料
- YouTube: 【医師が警告】心臓に良い最強食材10選|でも間違えて選ぶと逆効果に!?
- 日本循環器協会: 食事に気を付けよう
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 栄養・食生活と高血圧
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 脂質異常症
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: LDLコレステロール
医療安全上の注意
この記事は一般向けの健康コラムです。診断、治療、薬の変更を指示するものではありません。症状が強い場合、急な悪化がある場合、健診結果で異常を指摘されている場合、治療中の病気がある場合、食事制限の判断に迷う場合は、医療機関や主治医に相談してください。
