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HEALTH COLUMN

健康コラム

2026.06.25

子どもの運動が苦手に見えても焦らない。家庭で確認したいケガ予防と体の使い方

主任ナース白衣ゆいです

こんにちは、あっぷるぐみの白衣ゆいです。主任看護師として、受診前の不安やご家族の迷いを、毎日の暮らしに戻せる言葉で整理しています。

今回は、島根大学医学部附属病院の健康講座動画をきっかけに、子どもの運動能力とケガ予防について、家庭で確認しやすい形へまとめます。

結論から言うと、子どもの運動が少し苦手に見えても、すぐに才能や性格の問題と決めつける必要はありません。体の使い方、疲れやすさ、靴や環境、生活リズム、痛みの有無を一つずつ見直すだけでも、動きやすさは変わることがあります。

一方で、痛みを我慢している、片側だけ使いにくい、転び方が急に増えた、動くこと自体を強く嫌がるといった変化があるときは、家庭だけで抱え込まず、整形外科や小児科、必要に応じてリハビリ職へ相談した方が安心です。

この記事でわかること

  • 子どもの運動が苦手に見えるときに、最初に見直したいポイント
  • 家庭でできるケガ予防の整え方
  • 受診を考えたいサイン
  • 相談時にあると役立つ記録

結論

子どもの運動能力は、単純に「得意」「不得意」で片づけるより、体の成長、経験量、環境、睡眠、靴、痛みの有無まで含めて見た方が実用的です。特別なトレーニングを急ぐより、転びやすい場面を減らし、安心して体を動かせる土台を作ることが、ケガ予防の近道になります。

また、保護者が「やる気の問題かな」と感じていても、実際には疲れやすさ、視線の使い方、体幹の弱さ、足の痛み、怖さなどが隠れていることがあります。様子を言葉にして残し、必要なら早めに相談につなげる方が安全です。

1. 運動が苦手に見える理由は一つではありません

動画では、運動能力を単純な根性論で考えず、体の使い方や環境を丁寧に見る大切さが紹介されていました。家庭で受け止めるときも、この視点がとても大事です。

例えば、走るのが遅い、すぐ転ぶ、ボールを怖がる、縄跳びが苦手といった様子があっても、すぐに「向いていない」と決めなくて大丈夫です。経験の少なさ、動きを真似する機会の少なさ、姿勢の崩れ、足に合わない靴、疲労のたまりやすさなど、いくつもの要素が重なることがあります。

病棟でも、お子さん本人より周囲が先に焦ってしまい、「もっと頑張ればできるはず」と声を強めた結果、動くこと自体が怖くなるケースを見かけます。まずは責めずに観察し、「どんな場面で困るのか」を具体的にするところから始めるのがおすすめです。

2. ケガ予防は、運動量より先に環境づくりが大切です

ケガ予防というと、筋力や柔軟性ばかりを意識しがちです。ただ、ご家庭ではそれより前に整えたいことがあります。

次のような基本は、特別な道具がなくても見直しやすいポイントです。

  • 靴のサイズが合っていて、かかとが安定しているか
  • 荷物が重すぎて姿勢が崩れていないか
  • 寝不足や朝食抜きで、集中力が落ちたまま動いていないか
  • 運動前後に水分をとれているか
  • 家や園、学校で滑りやすい場所や段差が多くないか

特に小さなお子さんは、「痛い」「怖い」「疲れた」をうまく言葉にできないことがあります。だからこそ、運動能力を上げる前に、安心して動ける条件がそろっているかを確認することが大切です。

白衣ゆいが子どもの運動時に確認したいケガ予防の基本を整理する画像

3. 家庭で見ておきたいのは「できる・できない」より「どこで止まるか」

子どもの動きを見るときは、成功したか失敗したかだけでなく、どこで止まりやすいかを見ると手がかりが増えます。

たとえば、

  • 走り始めはいいが、途中で急に崩れる
  • 片足立ちだけ極端に苦手
  • ボールを投げるより受ける方を強く嫌がる
  • 階段の下りだけ不安そう
  • 運動のあとだけ足や膝を痛がる

こうした違いは、体幹、バランス、視線の使い方、筋持久力、関節の痛み、怖さの強さなどを考えるヒントになります。

白衣ゆいの視点では、「なんとなく苦手そう」より「階段の下りで手すりを強く探す」「右足だけ引きずる感じがある」といった具体的な言葉に変えておく方が、受診時にも伝わりやすくなります。

4. 受診を考えたいサインを見逃さない

運動の悩みは成長の途中でよくあることも多い一方、相談した方がよいサインもあります。

次のような変化があるときは、様子見だけで終わらせず、小児科や整形外科へ相談してください。

  • 痛みが続く、夜にも痛がる
  • 片側だけ動きがぎこちない
  • 急に転倒が増えた
  • 腫れ、熱感、強い跛行がある
  • 運動のたびに息切れや顔色不良が目立つ
  • 以前できていた動きができなくなった

もちろん、これらが必ず大きな病気というわけではありません。ただ、「成長だから大丈夫」と決めつけて長く我慢させるのは避けたいところです。痛みや動きにくさは、早めに整理した方が、子ども本人の苦手意識も強くなりにくくなります。

家庭で使いやすいチェックリスト

運動前後に確認したいこと

  • 靴がゆるすぎたり、きつすぎたりしていない
  • 寝不足や食事抜きのまま運動していない
  • 転びやすい場面や苦手な動きを大人が言葉で把握できている
  • 痛み、怖さ、疲れやすさを本人が言いやすい雰囲気がある
  • 運動後に足・膝・腰の痛みが残っていない
子どもの運動とケガ予防について家庭で確認したいチェックリスト画像

相談前にまとめると役立つこと

気になる様子 家庭で見ておきたいこと 相談時にあると役立つもの
よく転ぶ、動きがぎこちない どの動きで起きるか、片側だけか、時間帯の差はあるか 動画、靴の情報、園や学校での様子
運動を嫌がる、怖がる 痛みなのか、疲れやすさなのか、失敗体験なのかを分けてみる 本人の言葉、最近の生活リズム、睡眠時間
足や膝を痛がる いつからか、腫れや熱感はあるか、夜間痛はあるか 痛む場所のメモ、運動後の変化、発熱の有無

今日からできること

  1. 1週間だけ、転びやすい場面や痛みの有無を短くメモする
  2. 靴のサイズとかかとの安定感を見直す
  3. 運動の前に水分、睡眠、食事が整っているか確認する
  4. 「できない理由」を責めず、「どこで困るか」を一緒に言葉にする
  5. 痛みや片側の使いにくさが続くなら早めに相談する

子どもの運動能力は、すぐに結果を出すことより、安心して動ける経験を重ねることが大切です。家庭での観察と声かけだけでも、ケガ予防につながるヒントはたくさん見つかります。

担当メンバー

白衣 ゆい。主任看護師・内科病棟担当。受診前の不安や家族の迷いを、相談しやすい言葉へ整理して届けます。今回は、保護者が焦りすぎずに子どもの様子を見守れるよう、家庭で使いやすい確認ポイントを中心にまとめました。

参考にした動画・情報

  • YouTube: 令和8年3月 島大病院ちょっと気になる健康講座「子どもの運動能力向上とケガ予防」
  • チャンネル: 島根大学医学部附属病院
  • URL: https://www.youtube.com/watch?v=B6pqDh26XuQ
  • 公開日: 2026-03-13

医療安全上の注意

この記事は一般向けの健康コラムです。痛み、腫れ、強い跛行、発熱、呼吸の苦しさ、片側だけの動かしにくさ、以前できていた動きが急にできなくなった変化がある場合は、自己判断で運動を続けず医療機関へ相談してください。診断や治療、リハビリ内容の判断は、子どもの年齢や症状に応じて専門職と一緒に行うことが大切です。

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