2026年度診療報酬改定でクリニック経営はどう変わる?まず押さえたい5つの視点
外来ナース酒列ひこなです
こんにちは、あっぷるぐみの酒列ひこなです。外来担当、ときどき救急外来ヘルプ。今日も元気に、でも大事なところはきっちり確認していきます。
今回のテーマは、2026年度の診療報酬改定でクリニック経営がどう変わるのか、です。
結論から言うと、これからのクリニックは「診察する場所」だけではなく、地域の患者さんを継続して支えるチーム拠点としての役割がさらに大きくなりそうです。外来の現場目線で見ると、特に大事なのは次の5つです。
- 大病院から地域へ患者さんを戻す流れ
- 生活習慣病管理の質
- データ提出と院内オペレーション
- BCP、つまり災害時にも動ける準備
- 時間外対応を無理なく続ける設計
この記事では、動画で話されていた内容をもとに、クリニック側が何を準備すればよいのかを、できるだけわかりやすく整理します。

1. 大病院から地域へ、患者さんを戻す流れが強まる
今回の改定で大きな流れとして見えてくるのは、大きな病院と地域のクリニックの役割分担です。
大病院では、専門的な検査や治療、入院が必要な患者さんを中心に診る。一方で、状態が落ち着いている患者さんは、地域のクリニックで継続的に診てもらう。この流れが、今まで以上に進みそうです。
外来で働いていると、「大きな病院に通っているから安心」という気持ちもよくわかります。ただ、毎回大病院で診る必要がない状態なら、近くのクリニックでこまめに相談できる方が、患者さんにとって助かることもあります。
大事なのは、ただ紹介状を受け取るだけではありません。
病院側が「このクリニックなら任せられる」と思える体制を作ること。患者さんが「急に見放された」と感じないように、情報共有や説明を丁寧にすること。ここが、地域連携の本当のポイントです。
2. 生活習慣病管理は、点数よりも運用が問われる
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、クリニック外来でとても多いテーマです。
動画では、生活習慣病管理料まわりの変更や、検査、自己注射管理、眼科・歯科との連携などが取り上げられていました。
ここで私が外来目線で大事だと思うのは、「点数が取れるか」だけで終わらせないことです。
たとえば糖尿病の患者さんなら、血糖値だけではなく、目の合併症や歯周病、腎臓の状態なども関係します。血圧や脂質も、検査値だけを見て終わりではなく、生活の中でどう続けられるかが大切です。
つまり、クリニック側には次のような運用が必要になります。
- 必要な検査を忘れず行う
- 患者さんに説明した内容を記録する
- 眼科や歯科など、必要な診療科につなぐ
- 計画書やデータ提出の流れをスタッフ全員で共有する
外来は忙しいです。だからこそ、気合いではなく仕組みで回せる形にしておくことが大事です。

3. データ提出は、早めに院内ルールを作る
データ提出は、これから避けにくいテーマになりそうです。
動画では、提出するだけでなく、どの水準まで整えられているかが評価に関わる可能性についても触れられていました。
ここでつまずきやすいのは、電子カルテやレセコンの操作そのものよりも、日々の入力ルールです。
スタッフによって入力の仕方が違う。必要な情報が診療後に抜けている。あとから集計しようとしても、どこを見ればよいかわからない。こうなると、データ提出は一気に大変になります。
まずは小さくてもよいので、院内で次のルールを決めておくと動きやすくなります。
- 誰が入力するのか
- どのタイミングで確認するのか
- 入力漏れを誰がチェックするのか
- 月次で見直す項目は何か
外来はスピードが大事です。でも、速いだけでは続きません。あとから見返せる記録を残すことが、患者さんにもクリニックにも効いてきます。
4. BCPは、作って終わりではなく使える形にする
BCPは、災害や感染症流行などが起きたときに、医療機関として業務をどう続けるかを決めておく計画です。
日本では地震や豪雨、台風などのリスクがあります。地域の患者さんを支えるクリニックが止まってしまうと、困る人がたくさん出ます。
もちろん、まずは書面を作ることも必要です。でも、外来目線で言うと、本当に大事なのは「その日に動けるか」です。
最低限、次のようなことは確認しておきたいです。
- 停電したら受付と会計はどうするか
- 電子カルテが使えないとき、診療記録をどう残すか
- スタッフが出勤できないとき、どの業務を優先するか
- 薬や医療材料の在庫をどう確認するか
- 患者さんへの案内をどの方法で出すか
元気に動けるときに、動けない日の準備をしておく。これは地域医療にとってかなり大切です。
5. 時間外対応は、やる気だけで広げない
時間外対応の評価も話題になっていました。
患者さんにとって、夜や休日に相談先があることは安心につながります。救急外来ヘルプに入る立場から見ても、「もう少し早く相談できていたら」という場面はあります。
ただし、クリニック側が無理をしすぎると続きません。スタッフの負担、医師の働き方、人件費、電話対応の範囲。ここを考えずに診療時間だけ広げると、現場が疲れ切ってしまいます。
だから、時間外対応は「やるか、やらないか」ではなく、どう設計するかが大事です。
- 電話で受ける内容を決める
- 緊急時に受診を促す基準を作る
- 近隣医療機関との連携を確認する
- スタッフのシフトを無理なく組む
- 患者さん向けに相談ルールをわかりやすく伝える
元気に続けられる仕組みじゃないと、患者さんを支える力も長持ちしません。
今日からできるチェックリスト
クリニックでまず確認したいのは、この5つです。
- 大病院からの逆紹介を受けられる体制があるか
- 生活習慣病管理の検査・説明・他科連携が整理されているか
- データ提出に必要な入力ルールがあるか
- 災害時の受付・診療・連絡方法が決まっているか
- 時間外対応を無理なく続けられる設計になっているか
診療報酬改定は、点数表だけを見ると難しく感じます。でも、外来の現場に引き寄せて見ると、「地域で患者さんを支えるために、クリニックの体制を整えよう」という話でもあります。
現場は忙しい。だからこそ、早めに準備して、患者さんにもスタッフにもやさしい仕組みにしていきたいですね。
注意点
この記事は、YouTube動画の内容をもとに、健康コラムとして一般向けに整理したものです。実際の算定可否、施設基準、届出、疑義解釈は、厚生労働省の通知、地方厚生局、医療経営の専門家などに確認してください。
担当メンバー
酒列 ひこな。外来担当、救急外来ヘルプ。元気いっぱいでフットワーク軽め。患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら、医療の話をわかりやすく届けます。
参考にした動画・資料
- YouTube: 「【2026年度】診療報酬改定でクリニック経営はどう変わる?クリニック経営者が注目ポイントを解説」
- チャンネル: Dr.鎌形の未来の医療ナビ
- URL: https://www.youtube.com/watch?v=JfwoO65CD-Y
- 公開日: 2026-04-03
- 厚生労働省: 令和8年度診療報酬改定について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
