症状がないから大丈夫をやめる。心臓を守るために見直したい生活習慣5つ
こんにちは、あっぷるぐみの白衣ゆいです。主任看護師として内科病棟で患者さんやご家族とお話ししていると、「胸が痛いわけじゃないし、まだ大丈夫だと思っていた」という声をよく聞きます。
心臓や血管の病気は、急に悪くなったように見えても、その前から高血圧、喫煙、体重増加、睡眠不足、血糖や脂質の乱れが少しずつ積み重なっていることがあります。症状がない時期でも、体の中では進んでいることがあるのが怖いところです。
この記事では、動画で紹介されていた「心臓を悪くしやすい習慣」の話題をもとに、一般向けに安全な形へ整理し直し、今日から見直しやすいポイントをまとめます。
この記事でわかること
- 心臓や血管に負担をかけやすい生活習慣
- すぐ全部変えなくても始めやすい見直し方
- 受診につなげたい症状と健診項目
- 家庭で記録しておくと役立つこと
結論
心臓を守るために大切なのは、「何か1つだけ悪い習慣をやめれば十分」と考えないことです。睡眠不足、塩分の多い食事、体重増加、喫煙、高血圧や血糖の放置は、どれも重なるほど心臓と血管への負担を大きくします。
厚生労働省の e-ヘルスネットでは、高血圧は日本人の生活習慣病死亡に大きく影響する要因で、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、睡眠不足、ストレスなどが背景になると案内されています。症状がない段階でも、健診結果や生活記録を早めに見直すことが大切です。

1. 寝不足を軽く見ない
「少し寝不足なくらいなら平気」と思いやすいですが、睡眠不足が続くと血圧や食欲、気分、集中力にも影響しやすくなります。
NHLBI では、睡眠不足は心臓病、高血圧、糖尿病、脳卒中、肥満など多くの慢性疾患と関連すると案内しています。動画でも、寝不足が続くと心臓が十分に休まりにくい、という趣旨で説明されていました。
次のような方は、まず睡眠の見直しから始める価値があります。
- 平日と休日で寝る時間が大きくずれる
- 眠気が強いのに夜更かしが続く
- いびきや無呼吸を指摘されたことがある
- 起床時からだるさや頭痛がある
- 寝不足の日ほど血圧が高い、食べすぎる
「気合いで乗り切る」より、睡眠時間、就寝前のスマホ、飲酒、カフェイン、いびきの有無を記録する方が実用的です。
2. 塩分の多さを見えないままにしない
塩分は、外食、汁物、麺類、加工食品、総菜、漬物などで思った以上に増えやすいです。
e-ヘルスネットでは、日本人の高血圧の最大の原因は食塩のとりすぎであり、減塩は高血圧予防に欠かせないと説明されています。特にラーメンなど麺類の汁を全部飲むと、それだけで食塩を多くとってしまうことがあると案内されています。
見直しやすいのは、まず次のような習慣です。
- 麺類の汁を全部飲まない
- 味見前にしょうゆやソースを足さない
- 具だくさんで汁を少なめにする
- 加工食品や総菜が続く日を意識する
- まず1日だけ食塩量を記録してみる
減塩は「全部薄味にする」より、何で塩分が増えているかを見つけるところから始める方が続きやすいです。
3. 体重増加とお腹まわりを後回しにしない
体重のことは見た目の問題として扱われがちですが、心臓や血管の負担という意味では重要です。
NHLBI では、体脂肪が多く体重が増えるほど、心臓病、高血圧、2型糖尿病のリスクが高くなりやすいと説明しています。さらに、今の体重から 3% から 5% ほど減るだけでも、血圧や脂質、血糖の改善につながる可能性があると案内されています。
急な減量より、次のような現実的な確認が役立ちます。
- 半年で体重がどれくらい増えたか
- 健診の腹囲が前年より増えていないか
- 間食、夜食、甘い飲み物が増えていないか
- 休日にほとんど歩いていないか
- 息切れしやすくなっていないか
体重の数字だけで責める必要はありませんが、血圧、血糖、脂質と一緒に見ることが大切です。

4. 喫煙は本数が少なくても安全とは言えません
喫煙は、心臓や血管への負担を説明しやすい代表的な要因です。
CDC では、喫煙は心血管疾患の大きな原因で、血管を傷つけ、血液を固まりやすくし、動脈硬化を進めると説明しています。受動喫煙でも冠動脈疾患や脳卒中のリスクを上げると案内されています。
次のような考え方には注意が必要です。
- 本数が少ないから大丈夫
- 加熱式なら関係ないはず
- 吸うのは外だけだから家族に影響しない
- ストレス対策だからやめられない
禁煙は一人で根性勝負にしなくて大丈夫です。禁煙外来、保険診療、薬局での相談など、使える手段を早めに検討した方が続きやすくなります。
5. 高血圧や血糖の異常を「症状がないから」で放置しない
動画で一番強く伝えたかった点は、ここだと思います。高血圧や高血糖は、症状が乏しいまま進むことがあります。
e-ヘルスネットでは、高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくいため、毎年の健診や家庭血圧が重要だと案内されています。高血圧が進むと、心筋梗塞、心不全、脳卒中などにつながりやすくなります。
特に受診につなげたいのは、次のような状況です。
- 健診で血圧、血糖、脂質の異常を繰り返し指摘されている
- 家庭血圧でも高い日が続く
- 胸痛、息切れ、動悸、足のむくみがある
- 糖尿病や高血圧の薬を自己判断で中断している
- 体重増加や睡眠不足が続いたまま数字だけ悪化している
数字が少し悪いだけでも、背景を整理して早めに相談すると、重症化を防ぎやすくなります。
受診前に整理したいこと
生活習慣見直しのためのチェックリスト
- 健診結果の血圧、血糖、脂質、体重を見返した
- 1日の睡眠時間と寝る時刻をざっくり書ける
- 塩分が多そうな食事を1日分だけでも振り返った
- 喫煙や受動喫煙の状況を整理した
- 胸痛、息切れ、動悸、むくみの有無を確認した
迷ったときの受診目安
| 状態 | 考えたい対応 | 持参すると役立つもの |
|---|---|---|
| 健診で血圧や血糖の異常を指摘された | 家庭血圧や生活記録を添えて内科へ相談 | 健診結果、体重記録、服薬情報 |
| 睡眠不足、塩分過多、体重増加が続いている | 生活改善を始めつつ数値の再確認を検討 | 食事メモ、睡眠時間、歩数 |
| 胸痛、強い息切れ、冷や汗、失神がある | 通常受診を待たず早めの医療機関相談 | 症状の時刻、持続時間、薬の情報 |
今日からできること
- 家庭血圧や体重を週に数回でも記録する
- まず1日だけ、塩分が多い食事を洗い出す
- 寝る時刻と起きる時刻のずれを小さくする
- 喫煙している場合は禁煙相談先を確認する
- 健診異常を「来年また見ればいい」で終わらせない
心臓を守る生活習慣は、完璧を目指すより、放置しないことが大切です。白衣ゆいとしては、症状がないうちから記録と相談の準備を始めておくことをおすすめします。
担当メンバー
白衣 ゆい。主任看護師・内科病棟担当。健診結果や生活の変化を、受診前に整理しやすい形へ整えてお伝えします。
参考にした動画・資料
- YouTube: 【心不全】循環器内科専門医が警告! 心臓を悪くする生活習慣
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 高血圧
- CDC: Smoking and Heart Disease, Stroke, and Peripheral Artery Disease
- NHLBI: Sleep Deprivation and Deficiency
- NHLBI: Aim for a Healthy Weight
医療安全上の注意
この記事は一般向けの健康コラムです。胸痛、強い息切れ、失神、冷や汗を伴う症状、急なむくみ、著しい高血圧や高血糖が疑われる場合は、記事だけで判断せず医療機関へ相談してください。治療中の方は、薬の中止や変更を自己判断で行わず、主治医の指示に従ってください。
