認知症予防は何から始める?生活習慣を整える現実的な視点
介護福祉士のクロエ・フォリウムです
こんにちは、あっぷるぐみのクロエ・フォリウムです。介護福祉士・地域福祉担当として、介護現場で役立つ工夫や認知症ケア、地域とのつながりをわかりやすく届けています。
今回のテーマは、認知症予防です。
結論から言うと、認知症はすべてを予防できるわけではありません。一方で、生活習慣病、運動不足、難聴、喫煙、飲酒、社会的孤立など、将来のリスクに関わる要因を早めに見直すことは大切です。
動画では、国際的な医学誌Lancetで示された認知症リスク要因の話をもとに、働き盛りからの生活習慣が将来の脳の健康に関係することが紹介されていました。
この記事では、「認知症を絶対に防ぐ方法」ではなく、介護現場や家族の暮らしにもつながる「今からできるリスクを下げる工夫」として整理します。

1. 認知症予防は、40代・50代から始まっています
認知症というと、高齢になってから考えるものと思われがちです。
でも、動画では、40代、50代、60代の生活習慣病や運動不足が、将来の認知症リスクと関係する可能性があると説明されていました。
脳は、血管、血糖、血圧、脂質、睡眠、運動、社会とのつながりの影響を受けます。
つまり、脳の健康は脳だけの話ではありません。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 喫煙
- 運動不足
- 過度な飲酒
- 肥満
これらは心臓や血管だけでなく、将来の認知機能にも関係する可能性があります。
2. 「サプリで解決」より、食事全体を見る
動画では、食生活を変えずにサプリだけで何とかしようとする考え方には注意が必要だと話されていました。
これはとても大事です。
サプリメントがすべて悪いわけではありません。ただ、食事、睡眠、運動、持病の管理を置き換えるものではありません。
まず見直したいのは、毎日の食事全体です。
- 野菜、豆類、魚、果物をとれているか
- 加工食品や菓子が多すぎないか
- 甘い飲み物が習慣になっていないか
- たんぱく質が不足していないか
- 食べすぎが続いていないか
認知症予防を考えるなら、「何かを足す」前に、「毎日くり返している習慣」を見ることが大切です。
3. 運動は脳の予防習慣としても大切です
動画では、有酸素運動と筋力トレーニングの両方が大切だと説明されていました。
運動は体重を減らすためだけのものではありません。血糖、血圧、脂質、睡眠、気分、筋力、社会参加にも関わります。
最初から完璧な運動計画を作る必要はありません。
- 1日10分歩く
- 階段を少し使う
- 椅子から立ち座りを10回する
- 買い物を歩いて行く
- 週に数回、軽い筋トレをする
大切なのは、続けられることです。持病がある方、膝や腰に痛みがある方は、医師や理学療法士に相談しながら進めてください。

4. 難聴と社会的孤立にも目を向ける
Lancet Commissionでは、難聴や社会的孤立も認知症リスクに関連する要因として扱われています。
動画でも、難聴があると人とのコミュニケーションが減りやすいことが紹介されていました。
聞こえにくさは、年齢のせいと片づけられがちです。でも、聞こえにくいことで会話を避ける、外出が減る、孤立するという流れが生まれることがあります。
次のような変化があれば、耳鼻科や補聴器相談を検討してもよいかもしれません。
- 聞き返しが増えた
- テレビの音量が大きいと言われる
- 会話についていくのが疲れる
- 人と会うのが面倒になった
- 電話が聞き取りにくい
介護現場でも、聞こえにくさや孤立は生活の困りごととして現れます。会話が減る、外出が減る、家族とのすれ違いが増える前に、早めに相談できる形を作ることが大切です。
予防は、食事や運動だけではありません。人とつながる力を守ることも、脳を守る一部です。
5. 生活習慣病は「脳の血管」を守る視点で見る
糖尿病、高血圧、脂質異常症は、心筋梗塞や脳梗塞だけでなく、血管性認知症にも関わることがあります。
動画では、脳の血管が傷むと、栄養や酸素を届ける道が乱れるというイメージで説明されていました。
健診で異常を指摘された方は、「今は症状がないから大丈夫」と放置しないことが大切です。
- 血圧を家庭で測る
- HbA1cや血糖を確認する
- LDLコレステロールを確認する
- 禁煙を相談する
- 飲酒量を見直す
- 健診後の再検査を受ける
脳の将来を守る行動は、今日の健診結果を見直すことから始まります。
今日からできること
認知症予防として、まずこの6つを確認してみてください。
- 血圧、血糖、脂質を放置していないか
- 週に何回歩けているか
- 甘い飲み物や加工食品が多すぎないか
- 聞こえにくさを我慢していないか
- 人と話す機会が減っていないか
- サプリだけに頼っていないか
認知症予防は、特別なことを一度だけやるものではありません。介護が必要になってから慌てるのではなく、日常の小さな選択を、脳と暮らしにやさしい方向へ少しずつ寄せていくことです。
注意点
この記事は、YouTube動画の内容をもとに一般向けに整理した健康コラムです。認知症の原因や予防効果は個人差があり、すべての認知症を生活習慣だけで防げるわけではありません。物忘れ、判断力低下、生活の変化、急な混乱がある場合は、自己判断せず、もの忘れ外来、脳神経内科、かかりつけ医へ相談してください。
担当メンバー
クロエ・フォリウム。介護福祉士・地域福祉担当。認知症ケア、介護保険、現場で役立つ工夫、地域とのつながりを中心に、医療・福祉の学びを暮らしで使える言葉に直して届けます。
参考にした動画・資料
- YouTube: 「【予防できる】認知症はあなたの生活習慣で45%予防できます!」
- チャンネル: 丸山俊一郎 まるやま脳神経内科・内科・糖尿病クリニック
- URL: https://www.youtube.com/watch?v=fHRVsV0ve4s
- 公開日: 2026-04-25
- Lancet Commission: Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report https://www.thelancet.com/commissions/dementia-prevention-intervention-care
- 厚生労働省: 認知症施策 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
- 国立長寿医療研究センター: 認知症の予防 https://www.ncgg.go.jp/dementia/prophylaxis/
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 認知症 関連記事 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/keywords/dementia.html
