在宅医療と介護サービスをどう使う?家族が迷わない相談の始め方
在宅医療と介護サービスで迷う家族へ
家で療養したい、家族を支えたいと思っても、医療と介護の相談先が分かれて見えることがあります。 訪問診療、訪問看護、介護サービス、ケアマネジャーなど、名前は聞いたことがあっても役割の違いは迷いやすいものです。 この記事では、高齢者在宅医療・介護サービスガイドライン2019をもとに、家族が相談を始めるための考え方を整理します。
この記事でわかること
- 在宅医療と介護サービスを分けて考えすぎないコツ
- 家族が相談前に整理したい情報
- 早めに相談したい生活変化の目安
結論
在宅療養では、医療と介護を別々にがんばるより、本人の希望、生活の困りごと、家族の負担をまとめて相談することが大切です。 まずは、かかりつけ医、地域包括支援センター、ケアマネジャーなど、つながりやすい窓口に現状を伝えましょう。
なぜこのテーマが大切なのか
高齢者の在宅療養では、病気の管理だけでなく、食事、排泄、移動、服薬、家族の休息などが関わります。 一つの困りごとが、医療と介護の両方にまたがることも少なくありません。
実務では、家族が限界まで抱え込んでから相談することがあります。 しかし、早めに困りごとを共有すると、サービス調整や見守りの方法を考えやすくなります。

基本の考え方
本人の希望と生活の困りごとを一緒に見る
在宅療養では、「どこで過ごしたいか」「どんな生活を続けたいか」という本人の希望が大切です。 同時に、転倒、食事量、服薬、排泄、介護者の疲れなど、現実の困りごとも確認します。
具体例として、本人は家で過ごしたいと思っていても、夜間のトイレ介助で家族が眠れない場合があります。 その場合、福祉用具、訪問サービス、夜間対応の相談などが必要になることがあります。
注意点は、家族の負担を「まだ大丈夫」と隠さないことです。 介護者の疲れも、在宅療養を続けるうえで重要な情報です。
医療と介護の情報を同じメモにまとめる
医療側には病名や薬の情報、介護側には生活動作や家族状況の情報が集まりやすいです。 両方をつなぐために、病気、薬、生活の困りごと、本人の希望を1枚にまとめると相談しやすくなります。
実務では、薬が変わったことが介護側に伝わらなかったり、転倒が医療側に伝わらなかったりすることがあります。 小さな変化でも共有できる仕組みを作りましょう。
注意点は、すべてを家族が完璧に管理しようとしないことです。 共有ノートや連絡帳、訪問時のメモなど、続けやすい方法を選びます。
具体的な手順
- 本人の希望を確認する
- 生活で困っている場面を3つ書く
- 病名、薬、通院先を整理する
- 家族の負担や不安をメモする
- かかりつけ医、地域包括支援センター、ケアマネジャーへ相談する
在宅相談前チェックリスト
- 本人がどこでどう過ごしたいかを聞いた
- 食事、排泄、移動、服薬の困りごとを書いた
- 家族の疲れや不安もメモした
- 薬と通院先を整理した
- 相談先の電話番号を確認した
よくある失敗例
家族だけで限界までがんばる
よくある失敗は、「まだサービスを使うほどではない」と考えて相談を先延ばしにすることです。 困りごとが小さいうちに相談したほうが、選択肢を整理しやすくなります。
改善例は、困っていることを「夜間のトイレ」「薬の飲み忘れ」「食事量の低下」のように具体化することです。 具体的な困りごとは、サービス調整につながりやすくなります。
実践例
相談時には、次のように伝えると整理されます。
「本人は家で過ごしたいと言っています。最近、夜間のトイレ介助が増えて家族が眠れていません。薬の飲み忘れもあります。訪問サービスや福祉用具を相談したいです。」
| 相談内容 | あいまいな伝え方 | 具体的な伝え方 |
|---|---|---|
| 本人の希望 | 家がいいみたいです | 本人はできるだけ自宅で過ごしたいと言っています |
| 生活の困りごと | 介護が大変です | 夜間トイレ介助が3回あり、家族が眠れていません |
| 相談したいこと | 何か使えますか | 訪問サービス、福祉用具、服薬管理を相談したいです |
キャラクター補足コーナー
食事量の低下、転倒、息苦しさ、発熱などは医療側にも共有してください。小さな変化が大事なサインになることがあります。
今日からできる行動
- 困っている生活場面を3つ書く
- 薬と通院先の一覧を作る
- 地域包括支援センターやケアマネジャーの連絡先を確認する
まとめ
- 在宅療養では本人の希望と生活の困りごとを一緒に見る
- 医療と介護の情報を1枚にまとめると相談しやすい
- 家族の疲れも重要な相談材料
- 困りごとが小さいうちに相談すると選択肢を整理しやすい
- 体調変化がある場合は医療機関にも共有する

参考資料
- Mindsガイドラインライブラリ: 高齢者在宅医療・介護サービスガイドライン2019 https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00500/
医療安全上の注意
この記事は、Mindsに掲載されている診療ガイドライン情報をもとに、一般向けに整理したものです。 在宅医療、介護サービス、介護保険、訪問看護、福祉用具の利用可否や内容は、本人の状態、地域、制度、医療機関や事業所によって異なります。 発熱、息苦しさ、胸痛、転倒後の痛み、急な意識変化、食事や水分が取れないなどの体調変化がある場合は、自己判断せず医療機関や救急相談へつなげてください。

クロエ・フォリウム 介護福祉士
家族だけで抱え込まなくて大丈夫です。困っている生活場面を一つずつ言葉にすると、相談先が見えてきます。