痛みが長引くとき。慢性疼痛を「気のせい」で片づけない相談準備
痛みが長引いてつらい方へ
痛みが続くと、「検査で異常がないなら気のせいなのかな」と自分を責めてしまうことがあります。 また、薬だけで解決しようとして、生活や気持ちの負担が置き去りになることもあります。 この記事では、慢性疼痛診療ガイドラインをもとに、長引く痛みを相談につなげる考え方を整理します。
この記事でわかること
- 慢性疼痛を「気のせい」で片づけない考え方
- 痛みの相談前に整理したい情報
- 早めに受診したい危険サイン
結論
痛みが長引くときは、痛みの強さだけでなく、生活への影響、睡眠、気分、動ける範囲を一緒に整理することが大切です。 薬の自己調整や我慢だけで対応せず、医療機関で原因や対処法を相談しましょう。
なぜこのテーマが大切なのか
慢性疼痛は、痛みが長く続き、生活の質や活動量、睡眠、気分に影響することがあります。 痛みの原因は一つとは限らず、体の状態だけでなく心理社会的な要因も関係することがあります。
実務では、痛みが続く方ほど「説明してもわかってもらえない」と感じやすくなります。 そのため、痛みの場所、続く期間、生活への影響を見える形にすることが、相談の第一歩になります。

基本の考え方
痛みの強さだけでなく生活への影響を見る
痛みを相談するときは、数字で強さを伝えるだけでなく、眠れているか、歩けるか、仕事や家事に影響しているかも大切です。 慢性疼痛では、痛みそのものと生活の困りごとが絡み合うことがあります。
具体例として、「痛みは6点くらい」だけでなく、「30分歩くと休む必要がある」「夜に痛みで起きる」と伝えると状況が見えやすくなります。 医療者は、その情報をもとに検査、薬、リハビリ、生活調整などを考えます。
注意点は、痛み止めを自己判断で増やしたり、複数の薬を重ねたりしないことです。 副作用や飲み合わせの問題があるため、薬の使い方は医師や薬剤師に確認しましょう。
心理面の話は「弱さ」ではない
痛みが続くと、不安、落ち込み、睡眠不足、活動量の低下が起こりやすくなります。 これは意志が弱いからではなく、長引く痛みと生活の負担が関係していることがあります。
実務では、気分の話をすると「痛みが本物ではないと思われるのでは」と心配する方がいます。 しかし、睡眠や気分の情報は治療や支援を考えるうえで重要です。
注意点は、心の問題だけと決めつけないことです。 新しい症状や急な悪化がある場合は、体の病気の確認も必要です。
具体的な手順
- 痛みの場所、始まった時期、きっかけをメモする
- 痛みの強さを0〜10で表す
- 睡眠、仕事、家事、歩行への影響を書く
- 使っている薬、湿布、サプリを整理する
- 急な悪化やしびれなどの症状があれば早めに相談する
痛みの相談チェックリスト
- 痛みの場所を図や言葉で示せる
- いつから続いているかを書いた
- 睡眠や仕事への影響をメモした
- 使っている薬や湿布を整理した
- 急な悪化、しびれ、発熱などを確認した
よくある失敗例
検査で異常がないから我慢する
検査で大きな異常が見つからない場合でも、痛みや生活の困りごとがなくなるわけではありません。 我慢し続けると、活動量や睡眠に影響し、さらに生活がつらくなることがあります。
改善例は、痛みを完全にゼロにする話だけでなく、「何を少し楽にしたいか」を相談することです。 歩行、睡眠、仕事、家事など、具体的な目標を決めると話が進みやすくなります。
実践例
受診時には、次のように伝えると整理されます。
「腰から足にかけての痛みが3か月続いています。痛みは10段階で6くらいです。夜に目が覚め、買い物の途中で休むことが増えました。市販薬を週に数回使っています。」
| 項目 | 伝わりにくい言い方 | 伝わりやすい言い方 |
|---|---|---|
| 痛み | ずっと痛いです | 3か月前から右腰と足に痛みがあります |
| 生活影響 | つらいです | 夜に起きる、買い物で休む回数が増えました |
| 薬 | 薬を飲んでいます | 市販の痛み止めを週3回ほど使っています |
キャラクター補足コーナー
家の中で困る動作も大事な情報です。立ち上がり、階段、入浴など、つらい場面を書いておきましょう。
今日からできる行動
- 痛みの場所と強さを1日1回だけ記録する
- 睡眠や家事への影響を一言で書く
- 薬、湿布、サプリの名前をまとめる
まとめ
- 長引く痛みは気のせいで片づけない
- 痛みの強さだけでなく生活への影響も伝える
- 薬の自己調整は避ける
- 睡眠や気分の変化も相談材料になる
- 急な悪化や神経症状がある場合は早めに受診する

参考資料
- Mindsガイドラインライブラリ: 慢性疼痛診療ガイドライン https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00664/
医療安全上の注意
この記事は、Mindsに掲載されている診療ガイドライン情報をもとに、一般向けに整理したものです。 痛みの原因、検査、薬、リハビリ、心理的支援の必要性は個別に異なります。 急な強い痛み、発熱、しびれや麻痺、排尿・排便の異常、外傷後の痛み、がん治療中の痛みなどがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。

胡蝶くろの 看護師
痛みは、気合いだけで片づけなくていいものです。生活にどれくらい影響しているかを言葉にしてみましょう。