入れ歯で噛みにくいとき、まず見直したいこと。左右で噛む・前歯を避けるコツ
美容と健康担当の宇迦元まりのです
こんにちは、あっぷるぐみの宇迦元まりのです。看護師として、美容と健康の情報を生活に取り入れやすい形でお届けしています。
今回のテーマは、入れ歯で「噛みにくい」と感じるときの見直し方です。
結論から言うと、入れ歯は「作ったら終わり」ではありません。歯科での調整、慣れる時間、毎日の使い方によって、食べやすさが変わることがあります。
動画では、保険の入れ歯だから必ず噛めないわけではないこと、硬いものや弾力のあるものは難しい場合があること、片側だけで噛むより左右に均等に食べ物を置くと安定しやすいことが紹介されていました。
ただし、痛みがある、すぐ外れる、歯ぐきに傷ができる、食事がつらい、飲み込みにくいという場合は、自己流で削ったり曲げたりせず、歯科医院で相談することが大切です。
この記事では、動画の内容をもとに、入れ歯で食べるときに今日から確認したいポイントを整理します。

1. 「保険の入れ歯だから噛めない」と決めつけない
入れ歯で噛みにくいと感じると、「これは保険だから仕方ないのかな」と思ってしまう方がいます。
でも、まず知っておきたいのは、保険の入れ歯だから必ず食べられない、というわけではないことです。
動画でも、調整によって噛めるようになっていくことがあると説明されていました。入れ歯は、口の中の形、歯ぐきの状態、噛み合わせ、唾液、舌の動き、食べ方の癖などが重なって使い心地が決まります。
神奈川歯科大学附属病院も、入れ歯と歯ぐきの密着度や噛み合わせが合っていないと、痛みや噛めないことが起こるため、適合性や噛み合わせの確認を勧めています。
つまり、見るべきポイントは「保険か自費か」だけではありません。
- 入れ歯が歯ぐきに強く当たっていないか
- 食べるときに浮いたり外れたりしないか
- 噛み合わせが片側だけ強く当たっていないか
- 食べ物が入れ歯の下に入り込みやすくないか
- 歯科で調整を受ける機会があるか
ここを確認するだけでも、次に相談する内容がかなり整理されます。
2. 入れ歯は「道具」なので、使い方の練習も大切です
動画の中で印象的だったのは、入れ歯は道具なので、上手な使い方とそうでない使い方がある、という考え方です。
これはとても現実的です。
たとえば、はさみや包丁も、持ち方や力の入れ方で使いやすさが変わります。入れ歯も同じで、噛む場所、食べ物の大きさ、舌で食べ物を運ぶ動き、左右のバランスによって安定感が変わることがあります。
特に総入れ歯では、下の入れ歯が歯ぐきの上に乗っている構造なので、片側だけに強い力がかかると動きやすくなることがあります。
もちろん、しっかり調整された入れ歯で片側でも噛める方はいます。ですが、噛みにくさがある方は、まず「使い方を少し変えると楽になるか」を試してみる価値があります。
ここで大事なのは、痛みを我慢して練習することではありません。痛い場合は練習ではなく調整が必要なことがあります。
3. 硬いものは、左右に同じくらい置いて噛んでみる
動画では、ピーナッツのような硬いものを例に、片側だけに1個置いて噛むより、左右に1個ずつ置いて噛むと安定しやすい場合があると紹介されていました。
これは、入れ歯にかかる力を左右に分散する考え方です。
片側だけで硬いものを噛むと、反対側が浮きやすくなることがあります。一方、左右に同じくらいの量を置いて、奥歯のあたりでまっすぐ噛むと、入れ歯が傾きにくくなる場合があります。
試すなら、次のように安全に行いましょう。
- いきなり硬いものではなく、やわらかめの食べ物から始める
- 食べ物を小さく切る
- 左右の奥歯側に同じくらいの量を置く
- ゆっくり、まっすぐ噛む
- 痛みや外れそうな感じがあれば中止する
ピーナッツやせんべいのような硬いものは、人によっては難しいです。むせやすい方、飲み込みに不安がある方、入れ歯がまだ安定していない方は、無理に試さないでください。
「噛めるかチャレンジ」ではなく、「安全に食べやすくする工夫」として考えるのが大切です。

4. 前歯で硬いものを噛み切るのは、難しいことがあります
動画では、前歯で噛むことは少し特殊で、難しい場合があるという話も出ていました。
入れ歯で前歯だけに力をかけると、入れ歯が動いたり、歯ぐきに強く当たったりすることがあります。特にりんごを丸かじりする、硬いパンを前歯で引きちぎる、弾力のあるものを前歯で噛み切るといった食べ方は、合わない方もいます。
食べにくいときは、前歯で頑張るより、次のように変えてみてください。
- ひと口サイズに切る
- 奥歯側で左右均等に噛む
- 硬い皮や筋があるものは小さくする
- 弾力が強いものは無理をしない
- 外食時は食べやすい形に切ってもらう
食べ方を変えることは、負けではありません。おいしく安全に食べるための調整です。
5. 痛い入れ歯は「慣れ」だけで片づけない
入れ歯には慣れが必要です。最初は違和感があり、話しづらさや食べにくさを感じることがあります。
一方で、痛みがある場合は話が別です。
国立長寿医療研究センターは、義歯で噛めない訴えの中で多いのは痛みによるものだと説明しています。顎の土手の形、食事、噛み合わせ、唾液、入れ歯の適合、清潔状態、残っている歯の問題など、痛みの原因はさまざまです。
次のような場合は、早めに歯科医院へ相談してください。
- 食事のたびに歯ぐきが痛い
- 口内炎や傷ができる
- 入れ歯が浮く、外れる、ガタつく
- 噛むと片側だけ強く当たる
- 入れ歯が割れた、ヒビが入った
- バネが曲がった、折れた
- 食べ物が詰まりやすく、口の中が荒れる
神奈川県歯科医師会も、入れ歯が当たって痛い場合に「そのうち治るだろう」と我慢せず、早く歯科で調整を受けるよう案内しています。
痛みは、体からの大事なサインです。
6. 自分で削る・曲げる・直すのは避ける
入れ歯が当たる、バネがきつい、少し浮く。こういうとき、自分で削ったり、金具を曲げたりしたくなるかもしれません。
でも、これは避けてください。
少し削っただけでも噛み合わせが変わり、別の場所に強く当たることがあります。バネを曲げると、残っている歯に負担がかかったり、入れ歯が合わなくなったりすることもあります。
池田市歯科医師会も、自分で義歯を削ったりバネを曲げたりすることはしないよう注意しています。
入れ歯は、見た目以上に繊細な医療器具です。気になるところは、メモして歯科医院に持っていく方が安全です。
7. 噛めることは、栄養と生活の質にもつながります
入れ歯の話は、単に「硬いものを食べられるか」だけではありません。
噛みにくくなると、肉、魚、野菜、果物などを避けて、やわらかい炭水化物中心の食事に偏ることがあります。すると、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、口腔機能は栄養摂取だけでなく、話す、笑う、人とのつながり、生活の質にも関わる重要な機能だと説明されています。
だから、入れ歯で噛みにくいことは「年齢だから仕方ない」で終わらせなくて大丈夫です。
噛みにくさを減らすことは、食事の楽しみを守ることでもあり、体力や気持ちを支えることにもつながります。
今日からできるチェックリスト
入れ歯で噛みにくいときは、まずこの7つを確認してみてください。
- 片側だけで噛んでいないか
- 硬いものを大きいまま食べていないか
- 前歯で無理に噛み切ろうとしていないか
- 食事中に入れ歯が浮く、外れる、痛いことがないか
- 入れ歯を自分で削ったり曲げたりしていないか
- 食後や就寝前に入れ歯を清潔にしているか
- 気になる点を歯科医院で相談できているか
もし今日ひとつだけ試すなら、やわらかめの食べ物を小さくして、左右の奥歯側に同じくらい置き、ゆっくり噛んでみてください。
それで少し食べやすくなるなら、入れ歯の使い方を見直すヒントになります。
反対に、痛い、外れる、食べるのが怖い、むせる、飲み込みにくいという場合は、自己判断で続けず、歯科医院や必要に応じて医療機関へ相談してください。
注意点
この記事は、YouTube動画の内容をもとに、一般向けの健康コラムとして整理したものです。入れ歯の適合、噛み合わせ、痛み、飲み込みやすさ、食事形態は、口の中の状態や持病、年齢、残っている歯、唾液の状態によって異なります。痛み、傷、出血、強い違和感、むせ、体重減少、食事量の低下がある場合は、自己判断で続けず、歯科医師や医療専門職に相談してください。
担当メンバー
宇迦元 まりの。看護師、美容と健康の情報発信担当。食べることを楽しみながら、からだ全体の健康につながるセルフケアをわかりやすく整理して届けます。
参考にした動画・資料
- YouTube: 「【入れ歯先生が解説】もしかしたら知らないかも?入れ歯で今すぐ噛めるコツ」
- チャンネル: かわかみデンタルクリニック公式
- URL: https://www.youtube.com/watch?v=2KIR48uskdQ
- 公開日: 2026-05-10
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: 口腔機能の健康への影響 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-08-001
- 国立長寿医療研究センター: 義歯の痛みの原因は? https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/17.html
- 神奈川歯科大学附属病院: 入れ歯が合わない https://www.kdu.ac.jp/hospital/clinic_guide/symptom_checker/tooth_002.html
- 神奈川県歯科医師会: 入れ歯の調整・修理 https://www.dent-kng.or.jp/hagaitai/128/
- 池田市歯科医師会: 入れ歯を使うときの注意 https://www.ikedashi.jp/gishi2
