HEART RATE
60
SYSTEM INITIALIZING...
HEALTH COLUMN

健康コラム

2026.05.29 栄養

健診でLDL高いと言われたら?放置リスクと薬の考え方

主任ナース白衣ゆいです

こんにちは、あっぷるぐみの白衣ゆいです。主任看護師として内科病棟を担当しています。

今回のテーマは、健康診断でLDLコレステロールが高いと言われたときの受け止め方です。

結論から言うと、LDLコレステロール高値は、すぐに症状が出なくても、将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスク確認につながる大事なサインです。ただし、健診で1回高かったからといって、全員がすぐ薬になるわけではありません。

大切なのは、「放置しないこと」と「数字だけで自己判断しないこと」です。年齢、血圧、糖尿病の有無、喫煙、家族歴、これまでの心臓や脳の病気などを合わせて見ながら、生活習慣の見直しや追加検査、必要なら治療を考えていきます。

この記事では、動画で紹介されていた内容をもとに、健診でLDL高値を指摘された方が落ち着いて確認したいポイントを整理します。

白衣ゆいが解説するLDLコレステロール高値の確認ポイント

1. LDLコレステロール高値は、自覚症状がなくても見逃さない

動画でも繰り返し触れられていたように、脂質異常症は自覚症状がほとんどないまま進むことがあります。

LDLコレステロールは、体に必要なコレステロールを運ぶ役割を持つ成分です。問題なのは、それが多すぎる状態が続くことです。余分なLDLコレステロールが血管の壁にたまりやすくなると、動脈硬化が進み、将来的に心筋梗塞や脳梗塞につながることがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットや日本動脈硬化学会でも、LDLコレステロール高値は動脈硬化性疾患の重要な危険因子として扱われています。

怖いのは、胸が痛い、息切れがする、といった症状が出る前に進むことがある点です。健診結果は「今は困っていないから大丈夫」と流さず、未来の血管トラブルを減らすためのきっかけとして使うことが大切です。

2. 健診で高かったら、まずは「全体のリスク」を確認する

LDLコレステロールは、数字だけで一律に判断するものではありません。

たとえば同じLDL値でも、次のような条件があると将来のリスクは変わってきます。

  • 高血圧がある
  • 糖尿病や慢性腎臓病がある
  • 喫煙している
  • 家族に若くして心筋梗塞などを起こした人がいる
  • すでに狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを経験している

日本動脈硬化学会は、LDLコレステロール140mg/dL以上を脂質異常症の目安の一つとしていますが、その数字だけで治療内容が自動的に決まるわけではありません。

病棟でも、「去年も少し高かったけれど放っておいた」という方が、ほかの生活習慣病も重なって初めて心配になるケースがあります。だからこそ、健診結果は単独で見るのではなく、血圧、血糖、体重、喫煙歴、家族歴まで含めて確認したいところです。

3. 食事と運動の見直しは、薬の有無にかかわらず土台になります

動画では、生活習慣の改善がまず大切だと説明されていました。これは公的な情報とも一致しています。

特に見直しやすいのは、次のような点です。

  • 脂身の多い肉、バター、生クリーム、揚げ物、菓子類など、飽和脂肪酸の多い食品に偏りすぎていないか
  • 野菜、きのこ、海藻、豆類など、食物繊維をとれているか
  • 体重が増え続けていないか
  • 早歩きや散歩などの有酸素運動を続けられているか
  • 喫煙や飲酒量が増えていないか

ここで気をつけたいのは、「食べていないのに高いから全部体質で仕方ない」と決めつけないことです。体質や遺伝の影響はありますが、それでも生活習慣の調整が役立つことは少なくありません。

一方で、自己流の極端な食事制限はおすすめできません。高齢の方、やせている方、糖尿病や腎臓病がある方では、栄養バランスを崩すとかえって体調を崩すことがあります。心配な方は、かかりつけ医や管理栄養士に相談しながら進める方が安全です。

LDLコレステロール高値で受診前に確認したいチェックリスト

4. すぐ薬が必要とは限らない。でも、薬を怖がりすぎない

LDLコレステロールが高いと言われると、「すぐ薬を出されるのでは」と不安になる方もいます。

実際には、リスクが低めの方では、まず数か月ほど食事や運動を見直して再検査することがあります。一方で、糖尿病や高血圧が重なっている方、すでに心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある方、かなり高値が続いている方では、早めに薬を検討することもあります。

動画でも出てきたスタチンなどの薬は、必要な人に適切に使うことで、将来の心血管イベントを減らす効果が期待されています。

もちろん、どの薬にも副作用の注意点はあります。ただ、必要以上に怖がって自己判断で避けたり、飲み始めてすぐ中断したりすると、本来減らせるはずのリスクを減らせないことがあります。

「自分はなぜ薬が必要なのか」「目標は何か」「副作用が心配なときはどう相談すればよいか」を確認しながら進めることが大切です。

5. 家族性高コレステロール血症が隠れていないかも大切です

そんなに食べていないのにLDLコレステロールがかなり高い方、若いころから高値を指摘されている方、家族に若くして心筋梗塞を起こした人がいる方では、家族性高コレステロール血症が隠れていることがあります。

これは、生まれつきLDLコレステロールが高くなりやすい体質で、一般的な生活習慣の問題だけでは説明できないことがあります。

もし次のような点に当てはまるなら、一度医療機関で相談してみてください。

  • LDLコレステロールがかなり高いと言われた
  • 親、兄弟姉妹、祖父母に心筋梗塞や狭心症の人がいる
  • 若いころから健診で異常を指摘されている
  • 生活改善だけでは数値が下がりにくい

体質が関わる場合は、「自分の努力が足りない」と責める必要はありません。逆に、早めに気づいて長く付き合う準備をすることが大切です。

今日からできること

健診でLDLコレステロール高値を指摘されたら、まずこの5つを確認してみてください。

  1. 健診結果を見返して、LDL以外の血圧、血糖、中性脂肪、体重変化も確認する
  2. 家族に若い時期の心筋梗塞や脳梗塞がないか聞いてみる
  3. 揚げ物、菓子類、脂身の多い肉、夜食の頻度を見直す
  4. 無理のない範囲で歩く時間を増やす
  5. 再検査や受診の案内がある場合は先送りしない

LDLコレステロール高値は、症状がないぶん後回しにされがちです。でも、健診で見つかった今なら、まだできることがたくさんあります。

不安な方は、受診時に「この数値は私にとってどの程度のリスクですか」「生活改善をどれくらい試せばよいですか」「薬が必要なら理由を教えてください」と聞いてみてください。質問することは、治療を前向きに進めるための大事な一歩です。

注意点

この記事は、YouTube動画の内容をもとに、一般向けの健康コラムとして整理したものです。脂質異常症の診断、再検査の間隔、薬の開始や変更は、年齢、持病、既往歴、家族歴などで変わります。胸痛、息切れ、片側のまひ、ろれつが回らないなど急を要する症状がある場合は、健診結果の相談を待たず、速やかに救急受診を検討してください。

担当メンバー

白衣 ゆい。主任看護師、内科病棟担当。患者さんの不安を整理しながら、医療の話を生活に戻せる形でやさしく届けます。

参考にした動画・資料

  • YouTube: 「健診でLDL高いと言われたら?放置リスクと薬の本当の話」
  • チャンネル: ムナ先生のSORAっと医療塾
  • URL: https://www.youtube.com/watch?v=L2JxB-sYIjg
  • 公開日: 2026-05-21
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット: 脂質異常症 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-004
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット: 脂質異常症を改善するための運動 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-05-003.html
  • 日本動脈硬化学会: 健康診断で異常を言われたら? https://www.j-athero.org/jp/general/3_kenkoushindan/
  • 日本動脈硬化学会: 動脈硬化性疾患の発症を予防するためには? https://www.j-athero.org/jp/general/4_atherosclerosis_yobou/
  • 国立循環器病研究センター: 脂質異常症 https://www.ncvc.go.jp/coronary2/risk/dyslipidemia/index.html
PAGE TOP